退院後にはどうキープする?自宅での塩分制限食の作り方

高血圧や腎臓病などで闘病していると、食事の味付けには減塩が必須項目になります。特に病院に入院しているあいだは病院食が出されるため、こちら側からは何もしなくても健康的な食事を食べられます。しかし、退院後はすべて自分で用意することになるためか、入院中の食生活を維持できるか心配になりますよね。

でも、ポイントをしっかりと守っていれば、入院中のときのように塩分を抑えた食事を作ることは決して不可能ではありません。そこで今回は、退院後の塩分制限食の作り方についてお話しします。

1.退院後から時間がたっていないうちに、塩分制限食に慣れる

入院中の食生活を維持するのに、多くの方が大変に思うことは、どうしても食事内容に物足りなさを感じてしまうところです。病院食は基本的に健康的な食事を条件に作られていて、普段から味付けが濃く脂肪が多い食生活に慣れ親しんできた方にとっては、味気なく思うところがあるかもしれません。

でも、せっかく健康的な食生活を学んだからには、病気のためにも身体のためにもそれを維持することが大事。だからこそ、退院後から時間があまりたっていないうちから、塩分を抑えた食事に慣れる必要があります。

(1)本やインターネットを活用する

入院中の食事を自宅で完全に再現することは難しいですが、塩分を抑えた食事を用意することは十分に可能です。

塩分制限食をテーマにしたレシピの本は、今や書店でもインターネットでも気軽に購入できます。そのような本から適切な塩分の量とレシピを学ぶことで、必要かつ現時点で控えるべき塩分量もしっかりと身に着けられるので、ぜひ利用してみるといいでしょう。

また、インターネットからでも塩分制限食のメニューを利用できます。SNSでも気軽に閲覧できるので、本よりも早く情報を知りたい方にはインターネットがおすすめです。しかし、「いつでもメニューやレシピを見られる状態にしておきたい」「じっくりと時間をとって塩分制限食を学びたい」という方は本も揃えておくと、スムーズに塩分制限食についての理解を深められます。

(2)塩分制限食は、続けていくと慣れる

塩分制限食を自宅で始める場合、気がかりなポイントは「続けられるか?」「物足りなく感じないか?」ということ。慣れ親しんできた味付けから離れ、塩分を抑えた食事を続けていくことは、人によってはストレスを感じるものかもしれません。

それでも、最初のうちは味の薄さに驚くかもしれませんが、続けていくうちにだんだんと慣れていきます。素材の味を活かした味付けは、単純に味が濃い料理よりも自然で美味しいもの。「この機会に味覚を整え、健康的な身体を目指している」と考えれば、制限されている感覚に苦しまず、塩分制限食を楽しめるようにもなります。

薄いけれど自然な味わいを楽しみ、食材をよく味わって、塩分制限食を続けていきましょう。

2.パンには塩分が多い!?塩分制限食で気をつけたいポイント

塩分制限食を続けるには、塩分を抑えた味付けや料理が必要になりますが、ここで気をつけておきたいポイントがあります。塩分の摂取量を意識し、味を薄めにしたり塩分の多い調味料を避けたりする方が多いですが、意外な盲点で塩分をとり過ぎているケースがあるためです。

そこで、塩分制限食で陥りやすい注意点や続けるコツについてお話しします。

(1)主食にはパンより米を選ぶ

塩分制限食に取り組んでいると、「塩分や調味料に気を遣っているのに思うようにできない」というケースが出てきます。しかし、食生活をしっかりと振り返ってみると、気づいていないところで塩分を多めにとっているということが起こりうるもの。

主食にパンを選ぶ日が多い場合、どうしても塩分が多くなってしまいます。パンにはバターや砂糖だけでなく、塩も含まれています。食べる日やおかずの塩分量を調整していれば問題ありませんが、毎日食べていたり塩気の多いおかずを足していたりすると、塩分摂取量が増えてしまうことは避けられません。

少し多めの塩分摂取量でも、習慣になると大きな違いになります。パンを食べること自体は悪いことではありませんが、塩分制限食に取り組むなら、我慢できる日は米を選んでみるといいでしょう。ただ、米を主食にする日でも、味付けの濃い食事には気をつけましょう。

(2)加工肉に気をつける

醤油や味噌、ドレッシング、スープの素など、塩分は調味料に入っていることが多いように思われますが、食品自体にも多く含まれています。ハムやソーセージ、かまぼこ、ちくわなど、加工肉にも多くの塩分が入っています。

これらの食品が完全に悪いとは言えませんが、食べ過ぎには十分に気をつけておきたいところです。加工肉を食べる日はほかのおかずの塩分を減らしたり、少し値段が高くなるものの減塩に特化した加工肉を選んでみたりなど、いろいろと工夫を重ねてみるといいでしょう。

(3)薬味や出汁を活用して、塩分制限食をもっと楽に

塩分制限食ではどうしても塩分を抑える必要があるため、慣れないうちはストレスを感じるかもしれません。そんなときでも、味付けの組み立てをアレンジすることで、無理なく美味しい塩分制限食を用意できます。

薬味や出汁を上手に活用し、塩分制限による物足りなさを補うことをおすすめします。薬味は料理の味に鋭さを、出汁は深みを与えてくれるので、塩分制限中にはぜひ取り入れましょう。特に鰹節や昆布、シイタケからとれる出汁は、料理の味をとても豊かなものに変えてくれます。

(4)サービスを上手に活用することもおすすめ

入院中の食事の感覚を取り戻すなら、塩分制限や健康を意識した宅配サービスを利用してみることも大いに役立ちます。現在では宅配弁当サービスでさまざまな種類の食事が出されていて、もちろん塩分制限食も豊富です。管理栄養士が監修し、プロの調理師が手掛ける料理で、手軽かつ簡単に塩分制限食を味わうことができます。

自宅で塩分制限食を始めるための第一歩としても、塩分制限食を実践中の味覚のリセットとしても、宅配弁当サービスはとても便利なツールです。自炊で味付けが濃くなってしまい、塩分制限食を挫折してしまいそうになりそうなときには、ぜひ宅配弁当サービスで正しい味覚を取り戻してみましょう。

入院中の健康的な食事を完全に再現することは、工夫とプロのサービスでより簡単になります。適度な努力とプロのサービスに頼る柔軟さで、健康的な食事を続けていきましょう。

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