高血圧と心臓病にかかっているのなら、塩分を控えた食事がとても大切なポイントです。どちらの病気でも、医療機関での治療を受けながら対応できますが、毎日の食事も病気の状態を左右するものであるためです。
とは言え、医療機関で入院していない場合には、自力で塩分を控えた食事を作ることは決して簡単でないことも事実。「塩分をとり過ぎていないか、いつも気になってしまう」「塩分を控えると食事が物足りなく感じて、ストレスが出てくるかもしれない」と、心配になってしまう方も多いでしょう。
そこで今回は、高血圧と心臓病の方が塩分制限を続けるための、自宅でできる食事のとり方についてお話しします。
1.高血圧と心臓病に、塩分制限が必要な理由
まず、なぜ高血圧と心臓病対策に塩分制限が必要なのかについて、知識を深めていきましょう。
私たちが食塩や塩分をとり過ぎると、血液中のナトリウムの濃度が高くなってしまいます。血液中のナトリウムの濃度が高くなると、私たちは水分を欲しがるようになり、水を多く飲みます。結果、血管中の血液量が増えて血圧が高くなってしまうのです。ここで起こるものが、まさに高血圧です。体内のナトリウムを水分量のバランスをとるために、起きてしまう現象だと言えるでしょう。
血圧が高い状態が続くと、血管はいつも緊張する結果となり、厚く硬くなる『動脈硬化』が引き起こされます。そのような連鎖が続けば、脳梗塞や心筋梗塞のような病気のリスクが高まると同時に、心臓病にもかかりやすくなります。
こうして考えると、塩分のとり過ぎは私たちが考えているよりもはるかに恐ろしいものです。また、毎日の生活でとり過ぎないように気をつけることが、病気を防ぐために必要不可欠なポイントでもあります。
(1)日本では比較的食塩摂取量が多い
減塩や塩分制限について聞くと、「それほど多くの塩分をとっているとは知らなかった」と思う方が少なくありません。しかし、世界規模で考えてみると、日本人は元々食塩摂取量が多い傾向にあることがわかります。
特に欧米諸国では、1日の食塩摂取量が6グラム未満のところが多いですが、日本では平均で10グラム、それはるか多くの塩分をとっていると言われています。醤油や味噌、漬物などの調味料に加え、加工食品を好む方が多いことが、大きな要因の一つです。
この結果を受け、日本でも外国のように1日の食塩摂取量を6グラム以下に抑える動きが出てきています。外国では年齢を重ねても高血圧にかかる方は少なく、また減塩によって不健康になることもありません。健康的な身体をいつでも維持するためにも、ぜひこの機会に塩分制限に取り組んでみましょう。
2.塩分制限の方法
それでは実際に、塩分制限の方法について見ていきましょう。摂取量や具体的な控え方について知り、毎日の生活に活かしてください。
(1)食塩摂取量は、1日4グラムまで
高血圧や心臓病になっている場合は、食塩摂取量は1日4グラムまでが理想です。普段多くとってきた塩分を減らすことには抵抗を感じるかもしれませんが、私たちが1日に必要な食塩摂取量は1グラムから2グラムとなり、減らしても健康的な問題が起こる心配はありません。
(2)調味料の使い方を変える
毎日の食事から食塩摂取量を減らすなら、調味料のとり方にまず注目しましょう。特に醤油やソースなどの調味料はかけるのではなく、小皿に少量注いでつける食べ方に変えましょう。特にお寿司やお刺身などを食べるときには、醤油の量に注意しましょう。
(3)味の濃さによる満足感を、味の深さで補う
料理の味付けを塩分だけに頼らないことも、塩分制限には非常に役立つポイントです。肉や魚、野菜など、素材から引き出せる旨味から、物足りなさを補うことができます。また、だしをしっかりとって深い味を出したり、酸味を上手に加えて味に変化を出したりすることも、味わいを広げてくれるのでおすすめです。とり過ぎに注意できていれば、油で味を補うこともできます。ごま油やラー油、養殖を作るならオリーブオイルなど、気分やレシピに合わせて使い分けてみましょう。
塩分を控え、味の深さや変化をつけることで、食事への楽しさが加わります。単純に食塩を制限するのではなく、ほかの味を楽しむことで、物足りなさを感じずに減塩生活を続けられるようになります。
(4)減塩調味料を使う
調味料の使いすぎが気になるのなら、減塩調味料を使ってみましょう。塩分は主に味噌や醤油などの調味料から摂取されるので、減塩のものを選ぶことで、自力で計算しなくても簡単に減塩生活ができるようになります。減塩調味料はスーパーマーケットでも、インターネットの店でも豊富に販売されているので、ぜひ手に取ってみましょう。
(5)加工食品を避ける
カップラーメンやジャンクフード、ハムやソーセージ、かまぼこなどの加工食品には、食塩が多く含まれています。とり過ぎていると食塩摂取量が増えてしまうので、できるだけ避けるほうが無難です。
3.塩分制限で、気になるポイントまとめ
最後に、塩分制限を始める方にとって気になるポイントをまとめていきます。夏の塩分摂取と、塩分が制限された食事を続けるコツを押さえておきましょう。
(1)夏は塩分を多くとってもいい?
「熱中症が辛くなる夏は、塩分摂取をいつもより多くしてもいい」と思われがちですが、日本人はすでに世界的に見ても塩分を多くとっているので、夏であっても塩分摂取には気をつけるべきです。しっかりと水分をとることやあまりにも暑い日の外出をなるべく控えるなど、塩分を多くとらなくて済むような対策を考えておきましょう。
(2)よく噛んで、ゆっくり食べる
塩分制限は物足りなく感じるイメージがありますが、よく噛んでゆっくりと時間をかけて食べることで、それは防げます。だんだんと素材の味を楽しめるようになり、濃い味付けを不自然に感じるようになる方も多いです。またゆっくり食べると食事への満足感が高まり、食べ過ぎを防げるようにもなりますので、ぜひ試してみましょう。
高血圧と心臓病と上手に向き合い、症状の悪化を防ぐには、毎日の積み重ねである食事への気配りが必要です。ほかの調味料で味を補い、味わって食べる習慣を身に着け、ストレスなく食事管理を続けていきましょう。
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